2008 Fiscal Year Annual Research Report
高温プラズマ中の微視的電磁乱流シミュレーションによる分布・構造形成の研究
Project/Area Number |
18760646
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
宮戸 直亮 Japan Atomic Energy Agency, 核融合研究開発部門, 研究職 (80370477)
|
Keywords | 有限ベータ / 帯状磁場 / 帯状流 / 輸送障壁 / リー変換 / 微分形式 |
Research Abstract |
磁場揺動を含む有限ベータでのイオン系乱流シミュレーションにより、乱流と帯状流・帯状磁場間の相互作用について調べた。イオン温度勾配不安定性が支配的な低ベータ領域では、乱流による帯状磁場生成とその帯状流生成への影響は局所的なものにとどまり、それらが乱流輸送に及ぼす影響は大きくは無かったが、ベータ値が高くなり、運動論的バルーニングモードがイオン温度勾配モードに代わって支配的になると有理面付近において強い帯状磁場が生成され、さらにその近傍で強い帯状流の生成が見られた。この帯状流は強い流れシアを生み出し、それにより乱流輸送が抑制される。帯状磁場は低次の有理面付近で生成されやすいので、この現象は実験的に観測されている低次の有理面での輸送障壁形成に対応するものである可能性がある。 また、輸送障壁領域で観測されている強いプラズマ流を含む単一荷電粒子運動の案内中心基本I-形式を、リー変換を用いた摂動解析により導出した。磁場閉じ込め核融合プラズマの乱流シミュレーションで広く用いられている標準的なジャイロ運動論モデルは、輸送障壁領域で見られるような強いプラズマ流を考慮しておらず、それをそのまま輸送障壁領域に適用することはできない。これまで、平衡の強いプラズマ流を含むモデルは定式化されているが、プラズマ流の時間発展を許した場合、数値計算に用いるにはあまり適当な形をしていない。そこで、時間発展する強いプラズマ流であっても数値計算的に取り扱いやすい形での定式化を行った。これにより輸送障壁形成の乱流シミュレーションへの道が開けた。
|
Research Products
(4 results)