2006 Fiscal Year Annual Research Report
核燃焼プラズマ内部・周辺構造の大域的相互作用によるプラズマ境界自己構造形成の研究
Project/Area Number |
18760649
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
浦野 創 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 研究職 (70391258)
|
Keywords | Hモード / ELM / 回転 / リップル / JT-60 / ITER / フェライト鋼タイル |
Research Abstract |
本研究では、炉心プラズマ内部のエネルギー閉じ込め性能を決定する境界条件であり、且つプラズマ境界近傍に局在した不安定性ELMの性質を支配する周辺輸送障壁(Hモード)を伴うプラズマ境界構造に着目し、炉心プラズマの空間分布構造とELM特性を支配するプラズマ境界構造の物理機構を明らかにする。さらに、ダイバータ板にとって安全なELMの制御とエネルギー閉じ込めの高性能化との両立を図る制御手法および最適化された運転領域を明らかにすることを目的としている。円環状装置において、有限のトロイダルコイルを配置すると、必ず弱磁場側に「トロイダル磁場リップル」と呼ばれる磁場の強い部分と弱い部分の差が生じる。このトロイダル磁場リップルが周辺プラズマの特性に悪影響を及ぼすことが指摘されている。また、プラズマの回転によって周辺プラズマの特性が変化する傾向が観測され、近年のトカマク研究における重要課題になっている。本研究では、独立行政法人日本原子力研究開発機構のJT-60Uにおいて、強磁性体であるフェライト鋼タイルを用いて、異なるトロイダル磁場リップルの条件下でHモードの周辺輸送障壁の特性を調べた。周辺プラズマ圧力はトロイダル磁場リップルの低減とともに増大した。また同一のトロイダル磁場リップルの条件下で、プラズマの回転を変化させた場合、プラズマ電流と同方向(順方向)の回転が大きいほど、周辺プラズマ圧力が増大し、高エネルギー閉じ込めが得られることが分かった。また、順方向回転の増大とともに、ELMの周波数が減少し、ELM毎に放出されるエネルギーが増大するという性質も分かった。 また本研究では、英国カラム研究所のトカマク装置JETとの装置間比較実験を実施し、同一のプラズマ配位でトロイダル磁場リップルの異なる実験を行い、現在解析を進めている。
|