2006 Fiscal Year Annual Research Report
ジルコニウム・ニオブ合金における物性および耐食性に関する研究
Project/Area Number |
18760655
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牟田 浩明 大阪大学, 大学院工学研究科, 助手 (60362670)
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Keywords | 原子力材料 / 被覆管 / 水素化物 / 耐食性 |
Research Abstract |
原子力発電においては経済性の向上と放射性廃棄物量の低減のため、炉内燃焼時間をより長くすることが求められている。燃焼度の増加に伴って燃料・被覆管は従来より過酷な条件下におかれ、特に配向した水素化物の形成による被覆管の水素脆化が問題となる。この被覆管における耐食性の向上、クリープ特性の向上の為にNb添加が行われている。このようなNb添加の影響を評価するためには、Zr-Nb合金(β相)とその水素固溶体について熱・機械的物性データを取得するとともに、水素固溶限、酸化膜の状態などの酸化・水素化挙動の評価を行う必要がある。本研究はZr-Nb準安定相合金について、ジーベルツ装置により水素化を行うことで試料を作成し、各種物性測定、また耐食性の評価を行うことで、高燃焼度用被覆管の開発に資することを目的とする。 今年度はZr-Nb合金の水素固溶体および水素化物試料を作成し、その水素固溶限を評価するとともに、室温から500℃までのヤング率、ポアソン比、ヴィッカース硬度といった機械的特性データを測定した。その結果Nb添加によって見かけの水素固溶限が上昇することがわかった。これは析出するNb相自身の固溶限が大きいためと考えられる。また、低温の水素化物析出領域ではヤング率・ポアソン比は変化しなかったものの、固溶領域では水素濃度とともにヤング率が低下した。これは過去に純Zrでも観察されており、またその水素濃度依存性の程度はほぼ同じ程度となった。次に化学処理によって酸化膜のみを剥離させ、酸化膜と合金の界面の表面粗さをレーザー顕微鏡にて評価した。界面は酸化膜表面と同じ研磨痕様の形状をもっており、その表面粗さは外側表面よりも大きくなった。
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