2007 Fiscal Year Annual Research Report
アメリシウムの酸化と安定化の系統的研究と3価キュリウム等との相互分離への応用
Project/Area Number |
18760660
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
北辻 章浩 Japan Atomic Energy Agency, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (30354898)
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Keywords | アメリシウム分離 / 酸化 / ネプツニウム / 電気化学 |
Research Abstract |
溶液中で3価が安定なアメリシウムイオンを電解酸化する事により酸化状態を変化させ、3価キュリウムイオンや3価ランタノイドイオンと高選択的に分離する方法を開発するため、種々の溶液条件下でのアメリシウムイオンの酸化還元データを取得するとともに、不安定な酸化状態を保ちながらイオンを分離する手法を開発した。 1、過塩素酸あるいは硝酸溶液中の3価アメリシウムの電解酸化挙動をフロー電解-分光分析装置を用いて調べた。高酸濃度溶液中では3価アメリシウムは電極反応ではほとんど酸化されない、あるいは酸化されたイオンは非常に不安定なため、酸化されたイオンと安定な錯体を生成する配位子を共存させる必要がある。 2、フロー電解に用いているグラッシーカーボン繊維を前処理することにより、アクチノイドイオンに対して吸着能を持たせることを可能とした。アクチノイドイオンの酸化状態ごとの吸着特性を明らかにし、3価アクチノイドイオンと6価イオンを分離できる条件を見出した。同法により、アメリシウムを電解酸化しながら電極への吸着作用を利用して3価アクチノイドおよびランタノイドと分離できる見通しを得た。また、同法を利用することにより、これまで分離回収が困難であった5価ネプツニウムイオンを3価に電解還元しながら電極に吸着させ高効率に分離できることを明らかにした。電極に吸着させたネプツニウムイオンは酸溶液中に簡単に回収可能である。この分離法は、特別な試薬を必要とせず廃棄物の発生量を低減できる、迅速な処理が可能など放射性廃液処理の新しい技術として利点が多い。
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