2008 Fiscal Year Annual Research Report
アメリシウムの酸化と安定化の系統的研究と3価キュリウム等との相互分離への応用
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18760660
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
北辻 章浩 Japan Atomic Energy Agency, 原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (30354898)
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Keywords | アメリシウム / 酸化 / 電機化学 / 酸化還元電位 |
Research Abstract |
水溶液中で3価が安定なアメリシウムイオンを酸化する事により原子価を変化させ、化学的性質の類似している3価キュリウムイオンや3価ランタノイドイオンと高選択的に分離する方法を開発することを目的に、種々の溶液条件下でのアメリシウムイオンの酸化還元データの取得を行った。電解酸化は、迅速かつ全電解が可能なカラム電極を用いて流液系で行い、電解直後の酸化状態を分光測定して確認した。 炭酸系溶液のpHを変化させた溶液中でのAm(III)を電解したところ、Am(III)→(IV)の酸化波を観測した。この酸化反応の半波電位は+0.73V vs SSEであり、水溶液のpH(8.7〜10.8)によらずほぼ一定であった。pH8.7の溶液で、充分な正電位を印加して電解すると、流出液中にはAm(III)は観測されず、同電位領域は電位窓外ではあるものの、ほぼ完全にAm(IV)を酸化調製できた。しかし、電解酸化して調製したAm(IV)は不安定であり、およそ1時間の静置によりAm(III)に完全に再還元された。この再還元速度は、pHが大きいほどより大きいことなどを明らかにした。 一方、Am(IV)から(III)への還元挙動を調べるため、カラム電極を二段にして用いた。第一段カラム電極で電解酸化して調製したAm(IV)を、第二段カラム電極で電解還元したところ、+0.72VにAm(III)への還元波を観測した。Am(III)/(IV)の酸化還元は電気化学的に可逆であった。 水溶液中で4価と安定な錯体を形成するエチレンジアミン四酢酸,テトラメチルジグリコールアミドなどの種々の水溶性配位子を共存させて、Am(III)の電解酸化を試みたが、いずれも4価への酸化は観測されなかった。
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Research Products
(2 results)