2006 Fiscal Year Annual Research Report
超音波照射による局所的高温高圧場におけるアクチノイドの挙動とその分離への応用
Project/Area Number |
18760662
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
有阪 真 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究職 (80354843)
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Keywords | 超音波 / アクチノイド / 局所的高温高圧場 |
Research Abstract |
超音波照射によって誘起される化学反応(ソノケミストリー)は、系外からの非接触な化学操作が可能であることから、系を汚さないクリーンな化学プロセスとして、さまざまな分野で応用が進んでいる.水溶液に対する超音波照射は微細な気泡の生成を誘起し、この気泡の崩壊に伴い水素ラジカル(H・)やOHラジカル(OH・)が発生するため、遠隔からめ超音波照射による酸化・還元双方向への原子価操作が実現できる.このような特性を持つ超音波照射の燃料再処理分野への応用を見込み、超音波照射によるアクチノイドの遠隔原子価調整法を開発することを目的とする。この目的の達成のために、本年度は以下の2課題について取り組んだ。 まず、超音波照射によって誘起される還元性を触媒によって増強することにより、最も困難なアクチノイドの還元反応のひとつであるU(VI)の還元を以下の方法により達成した。ガラス製反応容器中の1 MHCl酸性5mM UO_2(ClO_4)_2溶液に20体積%の2-propanolおよび白金黒メッキした1.8g白金ネットを加え、2-propanolで洗気したアルゴンガスでバブリングしながら、600kHzの超音波を照射した。結果として、溶液内のU(VI)はすみやかにU(IV)へと還元されることを見いだした。次に、上記手法を用いて、Np(VI)およびPu(VI)の還元を実施した。U(VI)の還元と同様な条件下において外部超音波照射を行なうことにより、Np(VI)はNp(V)を経てNp(IV)へ、Pu(VI)はPu(IV)を経てPu(III)へと還元することを明らかにした。上記の試みを通じ、超音波照射によるU/Np/Pu相互分離手法の構築が可能であることを明らかとした。
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