2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18760664
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
劉 醇一 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (70376937)
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Keywords | 化学蓄熱 / 複合酸化物 / ケミカルヒートポンプ / 排熱利用 |
Research Abstract |
工場等からの余剰排熱を蓄熱する技術は,省エネルギーに大きく貢献することができる.当グループでこれまでに検討を進めてきたMgO/H_2O系ケミカルヒートポンプシステムは,蓄熱操作には350℃程度の熱エネルギーを要し,300℃以下の蓄熱には適さない.平成18年度の研究では300℃以下で脱水が可能な新たな蓄熱材として酸化マグネシウム系複合酸化物(水酸化物)を調製し,その水和・脱水挙動を検討した. 試料(Mg_xM_<1-x>(OH)_2;M=Co,Ni)は,前駆体となる硝酸塩を所定割合で溶解した水溶液を用い,共沈法によって調製した.試料と水蒸気との反応性は熱天秤中に水蒸気(57.8kPa,窒素バランス)を流通し,重量変化を測定することによって評価した. 3.Mg_xNi_<1-x>(OH)_2は,Ni含有量の増大とともに脱水温度が低下し,目標とする温度域で脱水することを確認した.各種試料に対して,脱水(300℃,60分)→水和(110℃)→脱水(300℃)の繰返し操作を行なった場合,Mg(OH)_2はほとんど脱水せず,またNi(OH)_2は水和反応がほとんど進行しなかった.一方で,Mg_<0.5>Ni_<0.5> (OH)_2は,酸化物:水酸化物比85:15まで脱水が進み,さらに水蒸気(57.8kPa)流通下では酸化物:水酸化物比48:52まで水和反応が進んだ.また,遷移金属イオンとしてNiの代わりにCoを用いた場合も,同様の結果が得られた. これは,Mg(OH)_2のMgイオンを一部Niイオンに置換することによって新たな反応性が発現したことを示している.
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