2006 Fiscal Year Annual Research Report
反応性セラミック粉体による新型ソーラー水熱分解器の開発
Project/Area Number |
18760665
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
郷右近 展之 新潟大学, 自然科学系, 助手 (20361793)
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Keywords | フェライト / 高温太陽熱 / 水素製造 / 水熱分解サイクル / エネルギー変換 / 内循環流動層 / 湿式酸化法 / 反応器 |
Research Abstract |
サンベルトと呼ばれる日射量の大きい地域では、800-1600℃程度の高温太陽熱を水素に転換する研究開発が活発化しており、高温太陽集熱による水素製造法として、反応性セラミック粉体による二段階水分解熱化学サイクルが注目されている。この二段階サイクルの熱還元反応には1400℃の高温を必要とし、これを実現するソーラー反応器として、反応粒子に太陽集光を直接照射できる「新型ソーラー水熱分解器」の開発を行い、下記の研究成果を得た。 (1)反応性セラミック粉末の活性向上の検討 Mn,CoあるいはNiドープ型フェライト/ジルコニア担持粉体を基軸として反応性セラミック粉体の活性向上を検討した。中でも最も反応活性の高いNiドープ型フェライト/ジルコニア担持粉体について、「Niドープ量」、「フェライト担持量」、について詳細に検討した結果、NiFe_2O_4/ZrO_2の組成(フェライト担持率約20wt%)が最も活性が高くなることが分かった。 (2)プロトタイプ太陽熱水分解器の設計・試作 これと並行して、直接照射型の新たな太陽熱水分解器として、近年開発が進むビームダウン型太陽集光システムと組み合わせることを想定した石英窓を有するステンレス製小型反応器「内循環流動方式による新型ソーラー水熱分解器」を設計・試作した。 (3)高出力太陽炉シミユレータによるプロトタイプ反応器の性能試験 NiFe_2O_4/m-ZrO_2粒子を反応媒体として用い、反応試験を行なった。その結果、本反応器においてNiFe_2O_4/m-ZrO_2粉体粒子の内循環流動層の形成を実現できた。さらに、サンシミュレータ(出力6kW、全入射エネルギー1.2kW)による反応試験で、流動層の補助加熱温度を変化させ、本水熱分解器の性能を評価した。その結果、予備加熱温度500℃では流動層が形成されなかったのに対し、700℃、900℃に上げることで、フェライト転換率は約19%、44%と大幅に向上することを見出した。
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Research Products
(6 results)