2008 Fiscal Year Annual Research Report
適応型制御アルゴリズムによる投薬システムの全自動化
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18769001
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
早川 朋久 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (30432008)
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Keywords | 適応制御 / 臨床応用 / BISモニタ / コンバートメントシステム |
Research Abstract |
本課題研究最終年度となる本年度は, 昨年度構築した人の麻酔薬に対する, 適応制御則を拡張し, 外乱を含むシステムへの適応制御則の安定性を考察した. 特に, スタンダードな適応制御器の開発に加え, ニューラルネットワークやファジィロジックなどを用いた適応・学習則を構築し, 外乱に対するロバスト性を検討した. 既に先行研究において, 脳波計測から導かれるBIS信号はノイズを含むことがわかっているので, このノイズの影響をアクチュエータの出力において軽減させるための方策としてローパスフィルタを用い, 平滑化することによって麻酔薬の投与レートが滑らかになることを確認した. さらに, 麻酔薬のコンパートメント間移動時に, その移動係数に外乱が生じる場合を想定し, 確率的コンパートメントシステムの数理的概念を新たに提唱した. この定義に基づき, 目標点(セットポイント)が有界収束安定であるための条件を導出した. 最後に, コンパートメントシステムモデルの新たな適用先として, がん細胞数を抑制する治療にも応用し, 本アルゴリズムの拡張性の可能性を見いだすことができた. 当初計画で予定していた, 麻酔薬のコンパートメント間の移動において時間遅れを想定した場合のモデルは定式化することができたが, 非負入力を用いた際の安定条件の定式化は現在検討中である. 3年間の一連の研究としては概ね予定通り研究が進展し, 期待された成果をえることができた.
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Research Products
(4 results)