2006 Fiscal Year Annual Research Report
高クヌッセン数流れにおける気体分子-固体表面間相互作用の解析
Project/Area Number |
18769002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 浩樹 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (50432240)
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Keywords | 気体固体間相互作用 / 分子線 / 共鳴多光子イオン化法 / 感圧塗料 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
気体分子-固体表面間相互作用に関し,実験及び数値解析より解析を行った. まず,共鳴多光子イオン化(REMPI)法を用いた気体分子-固体表面間相互作用の解析を行う準備のため,分子線自体の回転エネルギー分布計測を行った.装置の改良及び計測の習熟を行い,入射分子線のイオン化及びイオンの補足に成功している.スペクトルの解析を行うためにさらに信号強度の増強を行えるよう,現在改良を重ねている.また,散乱後の気体分子の計測を行うための準備を実施している.また,自由噴流場に対するDSMC法を用いた数値解析を実施し,回転量子数分布の推移を明らかにした.高クヌッセン数流れにおいては回転温度の凍結が起こり,回転量子数がボルツマン分布から逸脱する非平衡現象が確認された.これは分子線においても同様の現象が起こることが考えられ,分子線のREMPIスペクトルの取得ができた際には直接比較検証を行うことが可能となった. 次に,古典分子動力学法を用いた数値解析により,気体分子-固体表面間相互作用におけるエネルギー移動の解析を実施する.希ガス-グラファイトの系において実施し,高エネルギーにおける散乱過程では,ガス種によらずほぼ同じ散乱形態を示すことが明らかとなった.また,このような条件においては,グラファイト層間のポテンシャルエネルギーが散乱形態に対して支配的であるため,実験結果をもとに古典分子動力学法におけるポテンシャルエネルギーモデルの構築も可能となる. 最後に,気体分子-固体表面間相互作用を応用例としての感圧塗料の測定原理について,気体分子運動論の立場から考察を行った.高クヌッセン数流れに適用する場合においては,マッハ数が大きな流れが存在する際には,通常の解析手法によって感圧塗料の輝度を圧力に換算しても,表面圧力と一致しない可能性があることを明らかにした.
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Research Products
(1 results)