2007 Fiscal Year Annual Research Report
光駆動型バイオリアクターを用いた有用物質の生産技術の開発と応用
Project/Area Number |
18769004
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
原 清敬 Waseda University, 付置研究所, 助手 (40434378)
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Keywords | 微生物機能 / 物質生産 / バイオ生産プロセス / バイオリアクター / 生物機能工学 / 酵素利用学 / エネルギー変換プロセス / 生体エネルギー変換 |
Research Abstract |
前年度は、バクテリオロドプシンを含む紫膜、ATP合成酵素を膜内に配備したエネルギー生産小胞(リポソーム)を調製し、ルシフェリンールシフェラーゼ法を用いてこの光駆動のATP再生活性を確認した。しかし、本システムでは、高度好塩菌の培養と紫膜の調製に1週間、さらに好熱菌ATP合成酵素の大腸菌発現株の培養とATP合成酵素の精製に5日、リポソームの調製に2日を要するため、ATP再生小胞の構築に約2週間を要する点が問題となっていた。また、ATP再生小胞を再構成する際に、ATP合成酵素の膜に対する配向性を制御できないという欠点があった。一方、バクテリオロドプシンと同様な光駆動型プロトンポンプとして、近年、バクテリオロドプシンと53%の相同性を有するHalotterrigena turkmenica由来のデルタロドプシンが発見された。このデルタロドプシンはバクテリオロドプシンとは異なり、大腸菌で機能的に発現させることが可能である。そこで、デルタロドプシンを過剰発現させた大腸菌の反転膜小胞を調製することで、ATP再生小胞を構築することに成功した。このデルタロドプシン型ATP再生小胞は、大腸菌の培養に2日、反転膜の調製に1日と合計3日で調製可能になった。この大幅な講製期間の短縮は、本システムを実用化する際に大きく貢献すると考えられる。また、バクテリオロドプシン型のように再構成する必要がないため、ATP合成酵素は全て望む向きに配向する。さらに、デルタロドプシン型光駆動ATP再生小胞とヘキソキナーゼを共役させることで、光駆動でグルコースからグルコース6リン酸が生じるのを確認した。
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