2006 Fiscal Year Annual Research Report
次世代半導体ウェーハにおけるヘテロ界面近傍の原子・電子構造解析
Project/Area Number |
18769005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
井 誠一郎 崇城大学, 工学部, 助手 (60435146)
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Keywords | ひずみS_i / ヘテロ界面 / ミスフィット転位 / 透過型電子顕微鏡 / 高分解能電子顕微鏡 / 残留ひずみ |
Research Abstract |
高度情報通信社会の基盤となるSi集積回路(LSI)は,素子微細化による省電力化が限界に直面しつつある.この限界を打破し,次世代のLSIを実現するためにはSiウェーハの高機能化が必須である.このような背景の基,SiGe層とSi層の格子定数差(ミスフィット)を積極的に利用した「ひずみSi技術」は,現在国内外で最も注目を集めている技術の一つである.しかしながら,ウェーハ中に存在する貫通転位がその高機能化を妨げているのが現状である.本研究では,ひずみSiウェーハにおける欠陥密度の低減化に対する材料設計指針を与えることを目的として,Si/SiGeヘテロ界面のミスフィット転位に着目し透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてその原子・電子構造を解析する.また,熱処理に伴うミスフィット転位の組織変化を時系列で観察し,貫通転位の形成プロセスを検討する. 平成18年度に得られた成果は,以下の通りである. 1.熱処理に伴いSi/SiGeヘテロ界面近傍に発生したミスフィット転位を高分解能電子顕微鏡(HREM)観察したところ,ミスフィット転位は完全転位ではなく積層欠陥を伴い部分転位に分解していることを原子レベルで明らかにした. 2.Si/SiGe界面で発生したミスフィット転位は,熱処理温度の上昇に伴いその密度が上昇し,ある温度域を越えると界面に存在していたミスフィット転位はその形態を崩し,Si層のみに存在することをTEM観察により明らかにした. 3.弾性論に基づいた薄膜中の蓄積ひずみを算出し,特徴的な転位の存在形態について検討を行った.
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