2006 Fiscal Year Annual Research Report
転移因子LINEの転移・増幅に関わる宿主因子の探索
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18770004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶川 正樹 東京工業大学, 大学院生命理工学研究科, 助手 (90361766)
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Keywords | 転移因子 / レトロトランスポゾン / レトロポゾン / 宿主因子 / DNA損傷修復 / NHEJ / 逆転写酵素 |
Research Abstract |
転移因子Long Interspersed Element(LINE)は、様々な真核生物のゲノム中に広く存在し、我々真核生物のゲノム進化に大きな影響を及ぼしていることが知られている。たとえば、ヒトゲノムDNA中にはおよそ85万コピーの転移因子LINE配列が存在し、ヒトゲノムの約20%を構成している。LINEがいかにしてこのように莫大なコピー数を獲得することができたのか、その転移・増幅機構についてはいまだ多くのなぞが残されている。LINEの転移・増幅には、自身のコードするタンパク質(LINEタンパク質)と宿主のコードするタンパク質(宿主タンパク質)が係わると考えられている。LINE転移におけるLINEタンパク質の機能解析は進められているが、LINE転移における宿主タンパク質の役割ははとんど解析されておらず、LINE転移にどのような宿主タンパク質が係わるのか明らかにされていない。私は、LINE転移にかかわる宿主タンパク質を同定するため、ニワトリDT40細胞内でLINE転移を検出する実験系を構築した。DT40細胞の様々な遺伝子欠損株を用いてLINEの転移頻度を測定することにより、宿主細胞のDNA修復系、特に非相同末端結合経路(NHEJ)、に係わる宿主タンパク質がLINE転移に係わることを発見した。本研究結果は、私の構築したDT40細胞LINE転移検出系がLINE転移に係わる宿主タンパク質の同定に有効な実験系であることを示す。したがって、本実験系を用いた解析により、LINE転移における宿主タンパク質の機能に関する理解が飛躍的に前進することが期待される。
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