2006 Fiscal Year Annual Research Report
行動内分泌関連遺伝子の脳領域特異的DNAメチル化制御
Project/Area Number |
18770008
|
Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
今村 拓也 基礎生物学研究所, 行動生物学研究部門, 助教 (90390682)
|
Keywords | 核内受容体 / DNAメチル化 / アンチセンスRNA / 脱メチル化 / ステロイド |
Research Abstract |
[1]げっ歯類脳の発達・分化に伴う各種神経核のDNAメチル化情報解析:マウス・ラットエストロジェン・アンドロジェン・グルココルチコイド各受容体のメチル化解析を行った。バイサルファイトシークエンス法により同定した可変領域については、調べた6つの神経核のうち、例えばラットエストロジェン受容体についてはメスの分界条床核のみが高メチル化状況にあった。一方で、マウスエストロジェン受容体については扁桃体以外ではすべて高メチル化状況にあった。同様に、ラットアンドロジェン受容体では、オスの腹内側核以外全て高メチル化状況にあったが、マウスでは、分界条床核が雌雄に拘らず低メチル化状況にあった。したがって、DNAメチル化状況には種差が存在することが明らかとなった。雌雄差については、差の認められる神経核は種に拘らず共通しており、その標的神経核は分界条床核と腹内側核であった。幼少期の早期離乳ストレスが核内受容体のメチル化を改変することもわかり、グルココルチコイド受容体の上流域においてDNA脱メチル化が認められている。[2]遺伝子座位を共有する内在性非翻訳RNAの単離同定と組織学・生化学的解析/in vitro、in vivoの系における非翻訳RNA導入によるDNAメチル化改変と表現系解析:エストロジェン・アンドロジェン・プロジェステロン各受容体のプロモーター領域に発現する非翻訳RNAの全長を取得することに成功した。これら新規RNAはラット・マウスに共通していずれも新生児期から発現していた。ラット・マウス細胞株から、部位特異的メチル化領域のメチル化されているものをバイサルファイトシークエンス法によりスクリーニングした。神経細胞様に分化可能なPC12は分化前後で、エストロジェン受容体の上流域が、高メチル化から低メチル化に誘導できた。また新規エストロジェン受容体非翻訳RNAの強制発現系で特異的に脱メチル化が誘導できることを見出した。
|