2006 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアDNAの可視化による遺伝様式・機構の解明
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18770010
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
設楽 浩志 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90321885)
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Keywords | 細胞遺伝 / ミトコンドリアDNA / 蛍光蛋白 |
Research Abstract |
本年度はmtDNAと結合するタンパクと蛍光蛋白のcDNAをPCR法により増幅し、かつ制限酵素部位を付加することにより、融合遺伝子の作製を行った。作製した融合遺伝子は、哺乳動物において強力でかつ全身性の発現ベクターに組み込み、シークエンスの確認、培養細胞へのトランスフェクション後に蛍光色素による染色も含めて共焦点レーザー等による発現確認作業を実施している。上記コンストラクトを線状化するために発現制御領域・cDNAの領域を含むように制限酵素処理を実施し、マイクロインジェクション法によってマウス胚の前核への導入を試みている。予定通りに標識されない場合またはマウス個体が得られなかった場合に備えて、他の結合因子の検討を行なっている。また、同様の理由を考慮し、他蛍光タンパクによる融合遺伝子を作製についても検討しているところである。作製されたTgマウスとミトコンドリアを蛍光蛋白により標識したTgマウスとの交雑により、ダブルTgマウスを樹立し、両導入遺伝子のホモ接合体の系統樹立、また可能であれば他の遺伝子改変マウスや、疾患モデルマウスとの交雑を行う予定としている。そのために、これらの、マウス系統を導入するための準備を行なっている。一方蛍光物質による可視化の実験系において、蛍光色素でミトコンドリアを標識し、様々な細胞種におけるミトコンドリア形態学的解析を実施した。とくに始原生殖細胞におけるミトコンドリアの形態学的解析によるミトコンドリア数の解析の結果、これまでのmtDNA遺伝学の定説の一つを棄却した。
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