2007 Fiscal Year Annual Research Report
窒素降下量増加はモンゴル草原の植生および遊牧活動にどう影響するか?
Project/Area Number |
18770016
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
衣笠 利彦 Tottori University, 農学部, 助教 (80403377)
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Keywords | 窒素降下物 / 乾燥草原 / 一次生産力 / 植生 / 遊牧 / モンゴル / 嗜好性 / 牧養力 |
Research Abstract |
本研究の目的は、モンゴル草原において人工的な窒素散布実験を行い、近年地球規模で進行する窒素降下量の増加が、(1)モンゴル草原の一次生産力および植生にどう影響するのか、(2)その変化が当地域の主要産業である遊牧にどのような影響を与える可能性があるのか、(3)過放牧によって裸地化した草原の回復にどう影響するのかを評価することである。平成19年度は平成18年度に設定したプロットにおける実験処理と定期調査を継続した。 窒素散布処理によって柵内(家畜の採食が無い条件)の地上部生産量が増加した。この増加はArtemisia adamsiiの個体数増加によるものであった。A.adamsiiは家畜の嗜好性が低いため、この結果は、窒素降下量増加によって草原の生産量は増加するものの、草原の牧養力(牧草地としての草原のキャパシティ)は必ずしも増加しないことを示している。ただしこの結果が得られた平成19年は旱魃年であったため、この結果がどれほど一般性のあるものかは不明である。今後長期的な継続調査が不可欠である。
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Research Products
(1 results)