2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18770021
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山田 俊弘 Hiroshima University, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (50316189)
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Keywords | 根 / アロメトリー / 共存 / 熱帯 / フタバガキ科 / パソ保護区 / Shorea属 |
Research Abstract |
本年度は、マレーシア国パソ森林保護区にて野外調査を行った。調査内容は、(1)昨年度の掘り起こし調査により地上部-地下部現存量を定量した5種に対する、更なるサンプル数を増やすための掘り起こし調査と、(2)これら5種の熱帯天然林内での分布(ハビタット)確認の調査である。パソ天然林には長期森林観察のための50ha調査区が設置されている。この調査区内での調査対象種の分布を、現地踏査により確認した。調査対象の5種のうち2種はこの調査区に出現したので、この調査区を用いて分布を確認することができた。残りの2種の分布は50ha調査区内で確認できなかったので、パソ天然林内各地での分布を観察することハビタットの確認を行った。残りのShorea macrophyllaは外来種であり、本来の分布はボルネオ島なので、ボルネオ島での本種の分布の情報を文献調査で調べた。サンプルされた実生は、オーブン乾燥や質量測定などの処理が終わっている。現在、本野外調査で確認した50ha調査区等の分布(ハビタット)データと照らし合わせて、サンプルした植物の生息地嗜好性を明らかにしている。さらに、成長や死亡などの動態データと地上部・地下部の構造との関係について解析を進める予定である。これらの解析により、(1)細根の配置には養分・水分吸収戦略間のトレードオフが成立するか? (2)より乾燥する立地を好む種は, そうでない種に比べて根が深いか? (3)より貧栄養な立地を好む種は, そうでない種に比べて, 地表付近に細根を集中させているか? という地下部アロメトリー仮説の検証を進めているところである。
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