2007 Fiscal Year Annual Research Report
根の室素吸収能力の種間差が植物の相対成長速度の多様性をもたらす機構の解明
Project/Area Number |
18770022
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
大曽根 陽子 International Christian University, 教養学部, 研究員 (60407187)
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Keywords | 根 / 窒素吸収能力 / 葉と根の相互作用 / 光合成 / 成長速度 / 種間差 / 窒素 / 多様性 |
Research Abstract |
研究目的:これまで、植物種間の成長速度の違いをもたらす要因としては、葉の形態や光合成能力の違いにのみ注目されてきた。しかし、数種の落葉樹と草本を用いた研究代表者の実験から、根の窒素吸収能力にも種間で大きな違いがあり、植物種間の成長速度の多様性は葉の形態や光合成能力の違いだけでなく、これらのパラメーターと根の窒素吸収能力とのインターラクションによって生じていることが明らかになっている。本年度はこのような葉と根のインターラクションの機構をより詳細に調べるために、葉の解剖学的性質が大きく異なる落葉樹と常緑樹で、根の窒素吸収能力の違いが両者の光合成能力、物質分配、成長速度の違いにどの程度貢献しているかを定量的に明らかにすることを試みた。 方法:常緑樹のヒサカキ、落葉樹のケヤキを4段階の窒素濃度の培養液で生育し、それぞれの栄養条件における根の窒素吸収能力、葉の窒素濃度、タンパク質濃度、光合成特性、解剖学的特性、成長速度等を測定した。 結果:現在、解析中である。これまでのところ、葉が厚く、細胞の小さいヒサカキはケヤキに比べてより低窒素条件で葉の窒素濃度や光合成速度、成長速度が飽和することがわかっている。 本研究は、これまでほとんどかえりみられることのなかった、根が植物の成長や適応戦略のうえではたしている役割およびその機構を明らかにすることで、生理生態学における根研究、適応戦略の研究の進歩に大きな貢献をするものである。
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Research Products
(2 results)