2006 Fiscal Year Annual Research Report
大気中活性窒素の細胞増殖バイタリゼーション作用の分子生理学的実態と分子種の解明
Project/Area Number |
18770037
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 美佐 広島大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10294513)
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Keywords | 活性窒素 / シロイヌナズナ / 細胞増殖 / 植物バイタリゼーションシグナル作用 / 窒素酸化物 |
Research Abstract |
大気中窒素酸化物NOx(NOとNO_2、100-200ppb).は、シュートバイオマス、総葉面積、細胞成分含量を非処理区の1.7-2.0倍増加させること(植物バイタリゼーションシグナル作用)を初めて発見した。NOx由来の窒素は全窒素の5%以下を占めるに過ぎず、NOxは付加的窒素源としてではなく、シグナルとして作用すると結論された。その後、シロイヌナズナでも同様な植物バイタリゼーションシグナル作用が確認された。シロイヌナズナの形態学的観察から、大気中NOxによる植物バイタリゼーションシグナル作用は細胞増殖促進効果に帰着された。本研究では、シロイヌナズナを材料として大気中NOxの植物細胞増殖バイタリゼーションシグナル作用の分子生理学的実態の解明と大気中NOxに由来する植物バイタリゼーショシシグナルの実態の解明(分子種の同定)を研究目的とした。平成18年度は、細胞増殖が促准される発生段階、組織を明らかにするために、発生段階を追って形態学的に観察することにより大気中NOxによって細胞増殖が促進される葉の発生段階(葉原基and/or幼葉)を特定することを目的とした。当初、屋外に設置した2台の暴露チヤンバーで栽培を行なう予定であったが、NO2のみ存在下での栽培が(NOが発生するため)困難であることより屋内に設置したチャンバーでの栽培に切り替えることにした。また、植物体を密集させて生育させるのではなく、個体間を離して個体間の影響を少なくする栽培方法の検討を行った。一方で、シロイヌナズナ以外の植物(ヒマワリ、レタス、カボチャ、キュウリ)における植物バイタリゼーションシグナル作用の確認の実験を行なった。その結果これら4種の植物種においても植物バイタリゼーションジグナル作用が確認され、さらに至適濃度が植物種により異なること。組織特異性があることを見出した(現在投稿中)。
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Research Products
(4 results)