2006 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるペルオキシソーム形成を支える分子ネットワークの解明
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18770039
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
真野 昌二 基礎生物学研究所, 高次細胞機構研究部門, 助手 (20321606)
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Keywords | シロイヌナズナ / ペルオキシソーム / apm変異体 / GFP / オルガネラ / 膜タンパク質 / GUS染色 / タグライン |
Research Abstract |
本年度は、昨年度までに原因遺伝子を同定したペルオキシソームが巨大化するapm3変異体の解析を中心に実験を進めた。APM3遺伝子はペルオキシソーム膜タンパク質であるPMP38をコードしている。既に、PMP38特異抗体を用いたウエスタンブロットの結果から、野生型では38kDのポリペプチドが検出されるのに対し、apm3変異体では検出できないことを明らかにしている。今回、apm3のアリル取得のためデータベース上でタグラインの探索を行い、GABI-KatよりGABI_047D01とGABI_830A06の2種類のラインを入手した。この2種類のラインより調製した総タンパク質を用いてPMP38タンパク質の検出を行ったところ、apm3と同様、全く検出されず、また、apm3との掛け合わせにより、この2種類のタグラインがapm3のアリルであることが明らかとなった。 APM3プロモーター下にGUS遺伝子をつなげた融合遺伝子をもつ形質転換植物の作製が終了したため、種々の組織、成長段階におけるGUS染色を行うことにより、APM3遺伝子の発現パターンの解析を行った。APM3遺伝子は、これまでにapm3変異体で観察してきた根、葉、茎のみならず、根端、葉柄、雄蕊、雌蕊、葉原基、排水組織、鞘など様々な組織で発現していること、また葉や根においても、特に維管束で強く発現していることが明らかとなった。このGUS染色が強く観察される組織におけるGFPの蛍光パターンを野生型とapm3変異体で比較してみると、apm3変異体では巨大化したペルオキシソームが観察され、鞘では直径が20μmに及ぶものが存在した。 今後は、PMP38の機能解析とペルオキシソームの分裂が抑制されたapm1変異体との二重変異体の解析を進めていく予定である。
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