2007 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナSGS3の生化学的解析及びその遺伝子ファミリーの機能解析
Project/Area Number |
18770042
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
吉川 学 National Institute of Agrobiological Sciences, 植物科学研究領域植物・微生物間相互作用研究ユニット, 主任研究員 (80391564)
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Keywords | siRNA / ウイルス / RNAサイレンシング |
Research Abstract |
1.SGS3の生化学的解析 昨年度に引き続き、trans-acting siRNAの生成に関わるSGS3の生化学解析を進めるために、GST融合タンパク質を発現し、精製したが、RNAとの直接的な結合は検出できなかった。このことから、sgs3変異体で見られる中間体RNAの蓄積は、SGS3がRNAに直接結合していない可能性が考えられ、その因子を同定することが必要であると思われる。しかし、SGS3タンパク質の精製過程でSGS3がオリゴマーを形成していることを見出し、酵母のツーハイブリッド法を用いてオリゴマー形成に重要な領域を調べた結果、C末端側のcoiled-coil領域が重要であることがわかった。また昨年度作製した、部位特異的変異体やN端、C末端欠失変異体を導入した形質転換体を解析した結果、SGS3の機能に重要なアミノ酸残基を同定した。他の植物のSGS3パラログの比較したところ、これらのアミノ酸が高度に保存されていることがわかった。さらに、オリゴマーを形成できないC末端欠失体もSGS3の機能を相補しなかった。 2.SGS3相同遺伝子の逆遺伝学的解析 SGS3に相同性のある6個の遺伝子間で機能重複の可能性が考えられたので、相同性の高い遺伝子についての多重変異体を作製したが、DCL2経路が関わるtumip vein clearing tobamovirusに対する抵抗性やDCL3経路できるsiRNAの発現を調べたが、影響は認められなかった。これらの結果は、SGS3相同遺伝子が他のRNAサイレンシグ経路に機能していないと考えられる。
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