2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18770043
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
酒井 達也 独立行政法人理化学研究所, 制御機能研究チーム, チームリーダー (10360554)
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Keywords | 光 / オーキシン / フォトトロピン / フィトクロム / オーキシン輸送体 / クリプトクロム / リン酸化 / 転写後発現制御 |
Research Abstract |
本年度、光受容体シグナリングによる芽生え胚軸の成長制御の研究を行い以下の結果を得た。1)フィトクロムによる地上部オーキシン量の制御に加えて、クリプトクロム依存のオーキシン量調節メカニズムの存在を明らかにした。これはフィトクロム、クリプトクロムの活性化が芽生え地上部のオーキシン量を減らし、胚軸伸長阻害を誘導するメカニズムの一端をになっていることを強く示唆する結果となった。2)フォトトロピンによるRPT2の転写後発現誘導に、RPT2遺伝子3'UTRが関与していることを明らかにした。現在その分子メカニズムを解明すべく、GUS/GFPレポーター遺伝子にRPT2 3'UTRを融合したコンストラクトを作成して、シロイヌナズナに遺伝子導入している。この形質転換体を変異原処理して、レポーター遺伝子の青色光応答性を失った突然変異体選抜を目指している。3)NPH3リン酸化サイトを二カ所同定し、この二カ所のリン酸化を特異的に認識する抗リン酸化認識酵素を作成することに成功した。さらに二カ所のリン酸化候補サイトを発見しており、現在、これらのリン酸化部位アミノ酸に変異を導入して、NPH3機能の変化を明らかにしようと計画している。4)PGP19-PGP1オーキシン輸送体が胚軸茎頂フック形成の制御に関与していることを明らかにした。現在さらなる詳細な解析を行っている。今年度は、上記に関わる論文発表を目指して実験結果の再現性の確認などの作業を行っており、当初計画していた、光による細胞分化制御の研究は手がまだほとんどつけられていない。
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