2007 Fiscal Year Annual Research Report
チャバネゴキブリにおける性フェロモンの接触化学受容分子機構の解明
Project/Area Number |
18770052
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
勝又 綾子 Kyoto University, 農学研究科, 研究員(COE) (30423007)
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Keywords | 神経科学 / 昆虫 / 生理活性 / 蛋白質 / 遺伝子 |
Research Abstract |
<電気生理学的なアプローチ> 性フェロモン受容化学感覚器の特定と応答性の確認: 電気生理実験と電子顕微鏡を用いた形態観察を併用し、オス触角上で、メス体表ワックスに含まれる性フェロモンを受容する化学感覚器を特定ため候補となる感覚子の絞込みをおこなった。手順は次に示す:1)本研究室で累代飼育している成熟したメスのゴキブリの体表ワックスを刺激として行動実験と電気生理実験(Tip-recording法)を行った。2)オスの触角上の化学感覚器の形態観察を電子顕微鏡にて比較し、電気生理学的な性質を加味した感覚器の形態・分布の類型化の補足を行った。このうち三種類の感覚子がフェロモン感受性感覚子である可能性が高いことがわかったが、応答の記録精度が良くないため、従来のTip-recording法に合わせてシングルセルの記録法を模索した。 <分子生物学的なアプローチ> 化学感覚器に含まれる性フェロモンのキャリアタンパク質の究明:昆虫の化学感覚器内にはOBPとCSPの二種のキャリアタンパク質が存在する。本研究ではチャバネゴキブリのオスの触角に含まれ、性フェロモンを結合するキャリアタンパク質を分子生物学的な手法で探索した。1)二次元電気泳動法を中心に用い、ゴキブリのオス、メス、幼虫のボディと触角から抽出した水溶性たんぱく質の比較を行い、オス成虫の触角に特異的に発言しているタンパク質を探索した。その結果オス特異的に発現しているタンパク質はみあたらず、オスに特異的に多量に発現している候補タンパク質が十数個あることがわかった。アミノ酸シーケンスへ持ち込む候補タンパク質を絞り込むために、抽出したタンパク質と性フェロモンの結合実験の方法を模索した。
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