2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミクログリア細胞におけるポリシアル酸の存在とその機能解析
Project/Area Number |
18770083
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 ちひろ Nagoya University, 生物機能開発利用研究センター, 准教授 (10343211)
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Keywords | ポリシアル / シアル / シアル酸転移酵素 / シアリダーゼ / NCAM / ポリシアル酸転移酵素 / ミクログリア / 脳・神経 |
Research Abstract |
ポリシアル酸はシアル酸重合体の総称であり、魚卵糖タンパク質(PSGP)や神経細胞接着分子(NCAM)にその存在が知られている。ポリシアル酸の機能は、NCAMを中心に解析が進んでおり、かさ高い排除体積とポリアニオニックな性質による反接着作用を持つことが知られている。我々はこのミクログリア細胞に注目してポリシアル酸の存在検索および発現解析を行い、ミクログリア細胞株Ra2におけるポリシアル酸の存在をポリシアル酸に特異的な抗体12E3および特異的な酵素Endo-Nを用いて証明した。またRa2細胞に対してLPS刺激を行うとポリシアル酸が完全に消失することを見出した。またRa2細胞のLPS刺激によるポリシアル酸構造消失の分子機構を明らかにするために、分解過程に注目して実験を行った。シアル酸の分解に関わる酵素としてシアリダーゼに着目し、まず、シアリダーゼ遺伝子(Neu)の発現解析を行った。その結果、Neu2とNeu4が活性化により変動していることが分かった。さらに、実際にシアリダーゼ活性がポリシアル酸の消失に関わっていることを明らかにするために、シアリダーゼ阻害剤存在下でLPS刺激を行い、細胞表面のポリシアル酸の存在を調べた。同時に培地におけるシアリダーゼ活性を測定した。その結果、ポリシアル酸の消失にシアリダーゼが関わっていることが初めて明らかになった。一方、Ra2に対し、神経保護的な作用をもつサイトカインで刺激を行うと、ポリシアル酸構造が逆に増加する傾向があることも明らかにした。これまで、ポリシアル酸の素早い変動に関わる知見は得られておらす、ポリシアル酸構造の制御メカニズムの解明が期待される。
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[Presentation] A rapid clearance of polysialic acid on microglia by inflammatory stimulation.2007
Author(s)
Sato, C., Yabe, U., Sawada, M., and Kitajima, K
Organizer
Polysialic acid: Chemistry, Biology, Translational Aspects, 3rd International Meeting
Place of Presentation
Bad Lauterberg, Germany
Year and Date
20070310-13
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