2006 Fiscal Year Annual Research Report
多段階の分子スイッチを備えた多成分複合体による鉄硫黄クラスター生合成機構の解明
Project/Area Number |
18770084
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 啓 大阪大学, 大学院理学研究科, 特任研究員 (80379304)
|
Keywords | 鉄硫黄クラスター / X線結晶構造解析 / 変異導入 / SUFマシナリー / ATP分解酵素 |
Research Abstract |
SUFマシナリーの機能の解明を目指し、生物種として大腸菌および好熱菌Sulfolobus tolodaiiに注目していた。全ゲノム配列が公開されているこれらの細菌において、大腸菌(Escherichia coli K12 MG1655)では6種の成分(SufABCDSE)、S.tokodaiiでは4種の成分(SufD'BCS)がゲノム上に存在している。本研究の目的であるSUFマシナリーの多成分複合体によるFe-Sクラスター合成機構および機能調節機構の解明に向けて、平成18年度は以下の項目を実施した。 1.多成分複合体の精製・結晶化およびX線結晶構造解析 大腸菌に由来するSufCとSufDを大腸菌内で共発現させたところ、安定な二成分の複合体を形成することを初めて見出し、この複合体の立体構造を決定した。SufCD複合体は、SufDのコアドメインから突出したC末端ドメインが、L型構造のSufCに突き刺さるような形で相互作用していた。このような複合体の形成により、SufCでは大きな構造変化が起きていた。この構造変化を詳細に検討した結果、SufCはSufDとの複合体形成に伴ってATPの結合/加水分解に適した活性型に変化すると考えられた。 2.大腸菌由来SufCへの変異導入 SufBCD複合体は、SufCのATPase活性がトリガーとなりダイナミックな構造変化を可能としている。そこで、既に明らかにしたSufCの立体構造に基づいて、SufCのATPase活性を低下させるミスセンス変異を遺伝子操作により導入し、合計30個の変異SufC発現プラスミドを構築した。
|
Research Products
(2 results)