2006 Fiscal Year Annual Research Report
チトクロム酸化酵素結晶の高精度高分解能X線回折強度データ収集システムの開発
Project/Area Number |
18770088
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 栄樹 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (00294132)
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Keywords | チトクロム酸化酵素 / 膜蛋白質複合体 / 結晶構造解析 / 放射光 |
Research Abstract |
チトクロム酸化酵素は呼吸鎖の末端に位置し,チトクロムcから電子を受け取り分子状酸素を水にまで還元するとともに、そのとき得られる自由エネルギーによって、プロトンを膜の内側から外側へと能動輸送を行う膜貫通型膜蛋白質複合体である。このチトクロム酸化酵素のプロトン能動輸送機構を解明するためには、酵素内の水素原子の座標を決定する必要がある。このためには、高分解能高精度のX線回折強度データを収集し、精密な構造を得る必要がある。本研究では、放射光の大強度で平行性の良いX線を利用し、高分解能の回折斑点が得られるチトクロム酸化酵素結晶を効率良く選択できるシステムを構築するとともに、高分解能高精度のX線回折強度データを収集するための測定法の開発を行なう。 平成18年度は、回折実験に用いるチトクロム酸化酵素結晶から高分解能の回折強度データ収集が可能かどうかの判定を行なうために、1枚の得られたX線回折像から回折斑点のS/Nを計算することにより分解能を見積るソフトウェアを開発し、SPring-8生体超分子複合体ビームライン(BL44XU)に導入した。この開発したソフトウェアを用いることにより、機械的に結晶を分解能で選択することができ、良質な高分解能の結晶を効率良く得られた。連続したデータ測定時に、開発したソフトウェアを用いることにより、結晶のX線による損傷を観測することができた。結晶の損傷を観測することにより、結晶の交換時期を機械的に行なうことができ、データ測定の効率が上がった。
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