2006 Fiscal Year Annual Research Report
Toll様受容体を介するシグナル伝達経路の構造機能解析
Project/Area Number |
18770092
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杤尾 豪人 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70336593)
|
Keywords | 自然免疫 / NMR / 構造生物学 / Toll様受容体 |
Research Abstract |
Toll様受容体及びIL-18受容体に関連するアダプター分子MyD88はTIRドメインとDeathドメインからなる。本年度はMyD88 TIRドメインの立体構造を決定した。得られたMyD88 TIRの立体構造は、既に構造が解かれているToll様受容体(TLR1やTLR2)のTIRドメインとグローバル・フォールドは同一であるが、機能上極めて重要とされているBB-ループ部分の構造に大きな違いがあった。また、分子表面は上記受容体型のTIRドメインと異なり、正の電荷を帯びた部分が多く認められた。これは、細胞膜との親和性を示唆するもので、MyD88の細胞膜へのリクルートに関与していると考えられた。 また、HEK293培養細胞でルシフェラーゼを使ったレポーターアッセイを行い、MyD88 TIRドメインの機能解析を行なった。立体構造情報に基づいて、MyD88 TIRドメインに種々のアミノ酸置換を導入して、上記レポーターアッセイを行なうことにより、MyD88 TIRのなかの、IL-18受容体シグナル伝達に重要なアミノ酸残基を同定することができた。同様の実験を、TLR4シグナル伝達経路についても行い、同シグナル伝達に必須の残基を同定した。両シグナル伝達経路は、何れも受容体直下で、その細胞内領域がMyD88と相互作用することが知られているが、興味深いことに、受容体によってMyD88 TIRの異なる表面が相互作用していることがわかった。これにより、両者のシグナル伝達経路は同一のアダプター分子MyD88によって仲介されるものの、詳細な分子機構には差異があるということが明らかになった。
|
Research Products
(6 results)