2006 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝情報翻訳装置である超分子複合体リボソームの構造・機能解析
Project/Area Number |
18770100
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
藤井 佳史 独立行政法人理化学研究所, 高等動物タンパク質結晶構造解析研究チーム, 研究員 (30392096)
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Keywords | リボソーム / タンパク質合成 / 結晶構造解析 / 超分子複合体 / 翻訳装置 |
Research Abstract |
「遺伝情報翻訳装置である超分子複合体リボソームの構造・機能解析」という研究テーマにおいて、平成18年度の実験計画に従って以下に記述する実験を実施した。最終的な目標は遺伝情報翻訳装置であるリボソームの構造を原子分解能で解明し、その機能の詳細を明らかにしていくことにある。タンパク質等のX線結晶構造解析を行うためにはターゲットサンプルの大量調製、精製、結晶化を行う必要がある。実験実施者はターゲットに真核生物のリボソームを選びその大サブユニット(60S)および小サブユニット(40S)の大量精製に成功した。それぞれのサンプルを使用して結晶化のスクリーニングを行ったところ小サブユニット(40S)において結晶を調製することに成功した。実験室レベルでのX線発生装置を使用した回折実験においては明確な反射スポットを得ることはできなかった。より高輝度のX線源を求めて、国内では最強輝度にあるSPring-8(兵庫県播磨)BL41XUビームラインを使用して回折実験を行ったところ、結晶が0.1mmサイズにも関わらず最高で4.2オングストロームの反射を確認した。しかしながら結晶格子サイズが(230,230,750)オングストロームと巨大なため反射のオーバーラップを回避するには0.2deg/30sec/imageと測定に多大な時間がかかってしまうという問題に遭遇した。更にはX線ダメージも大きいため一カ所当たり数分以下しか照射できずに、一連のデータセットを収集することが非常に困難なのも問題であり今後解決していく必要がある。
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