2006 Fiscal Year Annual Research Report
リング構造を持つ分子シャペロンClpBによる凝集タンパク質の再生
Project/Area Number |
18770120
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
渡辺 洋平 甲南大学, 理工学部, 講師 (40411839)
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Keywords | 蛋白質 / ストレス |
Research Abstract |
分子シャペロンClpBは、他の分子シャペロンDnaKとその補助因子であるDnaJ、GrpEと協力して、凝集タンパク質を再生することができる特異な分子シャペロンである。ClpBはNドメイン、AAA1、ミドルドメイン、AAA2、の4つのドメインからなり、リング状の6量体を形成して働く。 結晶構造解析の結果から、相対的配向が大きく変化すると考えられるドメイン同士を、ジスルフィド結合によって固定する変異体を複数作成し、そのシャペロン活性や、ATP加水分解活性に対する影響を解析した。現在、これらの変異体について、更に様々な角度から解析を進めている。 ミドルドメインは4本のαヘリックスからなる棒状のコイルドコイル構造からなり、ちょうど2つの羽を持つプロペラのような形をしている。これら2つの羽構造について、それぞれ変異導入の影響を調べ、それぞれが固有の役割を担っていることを示唆する結果を得た。また、これまでの研究で、ミドルドメインはAAA1へのヌクレオチドの結合によりその向きを変えることを示している。このミドルドメインの構造変化について、特にwing2と呼ばれる羽の構造変化を、蛍光エネルギー移動法を用いて、詳細に解析する系の構築を試みた。構造変化の検出は可能となったが、詳細な解析を行うためには更なる系の改善が必要である。 更に、個々のドメインの構造変化がClpB六量体リングの中でどのような役割を果たすかを解析するため、6量体の中で変異導入サブユニットを特定する系を構築中である。
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