2008 Fiscal Year Annual Research Report
リング構造を持つ分子シャペロンClpBによる凝集タンパク質の再生
Project/Area Number |
18770120
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
渡辺 洋平 Konan University, 理工学部, 講師 (40411839)
|
Keywords | 分子シャペロン / 凝集体 / 脱凝集 / ClpB / AAA / DnaK |
Research Abstract |
分子シャペロンClpBは、他の分子シャペロンDnaKとその補助因子であるDnaJ、GrpEと協力して、凝集タンパク質を再生すること(脱凝集)ができる特異な分子シャペロンである。ClpBはNドメイン、AAA1、ミドルドメイン、AAA2、の4つのドメインからなる。このうちミドルドメインは、4本のαヘリックスからなる棒状のコイルドコイル構造からなり、ちょうど2つの羽(wing-1, wing-2)を持つプロペラのような形をしている。また、ClpBはリング状の6量体を形成して働くが、凝集したタンパク質をそのリングの中央の孔に通すようにしてほぐす活性(糸通し活性)を持つといわれている。 これまでの研究で、ミドルドメインの2つの羽構造はそれぞれ独自の働きを持つことが示唆されているが、その詳細は分かっていなかった。今回、昨年度作製した、ClpBの糸通し活性の検出系を用いて変異体解析を行ったところ、これら2つの羽構造は糸通し過程以外の脱凝集過程に働くということが明らかになった。さらに、wing-2の働きに重要なアミノ酸残基を特定することができた。 また、ClpBとともに働く分子シャペロンDnaKとその補助因子DnaJについて、DafAとよばれる温度依存性の調節因子が知られている。DafAによる活性調節の様子を詳細に解析したところ、DafAは従来考えられていたよりも幅広い温度範囲でDnaKとDnaJの活性を制御していることが明らかになった。
|
Research Products
(3 results)