2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼのカベオリンによる機能制御機構の解明とCO新規受容体の探索
Project/Area Number |
18770121
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
東元 祐一郎 久留米大学, 医学部, 講師 (40352124)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / カベオリン |
Research Abstract |
生体内において、一酸化窒素(NO)のみならず一酸化炭素(CO)が、シグナル伝達分子として働き、抗炎症作用や血管拡張作用など様々な生物作用を有することが明らかになりつつある。ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、生体内で代謝的にCOを生成する唯一の酵素であり、内因性のCOの大部分は、HO反応によって生成される。今回、HO活性のシグナル伝達制御因子カベオリンによる阻害機構について検討した。ラットHO-1とHO-2のC末端の膜結合部分を排除した可溶性酵素をそれぞれ大腸菌によって大量発現させ、2段階のカラムクロマトグラフィーによって精製した。カベオリンは会合性の高い膜タンパク質であるため、GST融合蛋白質として発現させ、グルタチオンセファロースカラムを用いたアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。その後、PreScission Proteaseで、GST部分を切断し、野生型カベオリン-1(1-178)を得た。また、膜結合部分を排除したカベオリン(1-101)も同様な方法で精製、単離した。HO活性のカベオリンによる阻害効果を検討した結果、HO-1,HO-2ともに、カベオリンの添加量に依存して、ビリルビン生成量が減少することが明らかになった。さらに、HOとヘムとの結合性を検討するため、カベオリン存在下、非存在下でHOにヘムを滴定し、その間の吸収スペクトルを測定した。その結果、カベオリンは、基質ヘムと競合的にHOに結合することが明らかになった。
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