2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼのカベオリンによる機能制御機構の解明とCO新規受容体の探索
Project/Area Number |
18770121
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
東元 祐一郎 Kurume University, 医学部, 准教授 (40352124)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / カベオリン |
Research Abstract |
ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、生体内で代謝的にCOを生成する唯一の酵素であり、内因性のCOの大部分は、HO反応によって生成される。HOにはストレス応答で誘導されるHO-1と非誘導型のHO-2の2つのアイソザイムが知られており、特に脳や神経系で多く発現しているHO-2は、シグナル伝達分子COの発生源として注目されている。一方で、過剰のCO生成は生体毒となるため、COの生成、特に非誘導型のHO-2の活性は厳密に制御されていると考えられる。caveolinは、形質膜をはじめ種々の生体膜上に存在する膜タンパク質であり、様々なシグナル伝達タンパク質と直接相互作用し、主にその活性を抑制する方向で働く新規のシグナル伝達制御因子として注目されている。今回、caveolinによるHOの活性制御メカニズムを検討するため、野生型caveolin(1-178)と膜結合部分を排除したcaveoin(1-101)を大腸菌により大量発現し、精製した。caveolin存在下でHO-1とHO-2の活性を測定した結果、HO-1,HO-2ともに、カベオリンの添加量に依存して、ビリルビンの生成量が低下することが明らかになった。HO とカベオリンの結合部位を詳細に同定する目的で、種々のcaveolinペプチドをEmoc固相合成法により合成した。その結果、caveolin(82-101)がHO活性を著しく阻害することが明らかになった。さらに、HOとcaveolinとの結合を表面プラズモン共鳴法を用いて検討した結果、caveolin(1-101)とapo体のHO-1は、10^-6オーダーのK_D値で結合することが明らかになった。また、apo体のHO-1は、caveolin(82-101)に対しても同様のK_D値で結合することがわかった。
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