2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲナーゼのカベオリンによる機能制御機構の解明とCO新規受容体の探索
Project/Area Number |
18770121
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
東元 祐一郎 Kurume University, 医学部, 准教授 (40352124)
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Keywords | ヘムオキシゲナーゼ / NADPH-シトクロムP450還元酵素 / ビリベルジン還元酵素 |
Research Abstract |
生体内でヘムの分解は、ヘムオキシゲナーゼ(HO)、NADPH-シトクロムP450還元酵素(CPR)、ビリベルジン還元酵素(BVR)の3つの酵素によって達成される。これら3つの酵素の立体構造は既に決定されているが、その3者がいかに会合、解離するかというタンパク質間相互作用の詳細は不明である。今回、HOと2つの還元酵素との相互作用を質量分析法によって検討した。HOを無水酢酸でアセチル化すると、NADPHとCPRを電子供給系とした時、反応速度の著しい低下が観測された。一方、CPR存在下でアセチル化したHOは、その活性を維持していた。アセチル化したHOをトリプシンで消化し、MALDI-TOF MSによって、アセチル化部位の同定を試みた。その結果、HO単独でアセチル化した場合、HOの14個のリジン残基中、11個がアセチル化されることがわかった。CPR存在下でHOをアセチル化した場合、Lys-149とLys-153がアセチル化を受けず、保護されていることがわかった。これらの残基を変異させた酵素では、HO活性が著しく低下することから、この2つのリジン残基はCPRとの相互作用に重要であることが示唆された。一方、BVR存在下でHOをアセチル化した場合、HO中のリジン残基の保護は観測されなかった。表面プラズモン共鳴法で、HOと2つの還元酵素との相互作用を調べたところ、HOとCPRとの相互作用は、BVRを共存させると、BVRの濃度に依存して結合が弱くなることから、HOと2つの還元酵素との結合部位はオーバーラップしていることが考えられるが、今回の方法では、BVRとの相互作用に重要なリジン残基は同定することができなかった。この原因として、BVRとHOとの相互作用は比較的弱い、あるいは、BVRとの相互作用には、HOのリジン残基はそれほど重要ではないのではないかと考えている。
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