2006 Fiscal Year Annual Research Report
球状蛋白質の自由エネルギー地形とフォールディング中間体構造アンサンブルの探索
Project/Area Number |
18770125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
槙 亙介 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (30361570)
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Keywords | 蛋白質 / フォールディング / 連続フロー法 / スタフィロコッカル・ヌクレアーゼ / エネルギー地形 / トリプトファン変異体 |
Research Abstract |
本研究計画においては、蛋白質のフォールディング機構を物理化学的に解明し、フォールディング中間体の役割を明らかにするために、以下の研究を行う。 1.蛋白質フォールディングの速度論的研究で現在広く用いられているストップト・フロー装置よりも不感時間が二桁以上短い超高速混合連続フロー装置を作成する。連続フロー法とストップト・フロー法とを組み合わせて用いることにより、モデル蛋白質スタフィロコッカル・ヌクレアーゼ(SNase)について、フォールディング開始後数十マイクロ秒の反応初期から天然状態に至る構造形成過程を観測する。 2.野生型SNaseに加え、種々の変異体SNaseを作成し、その安定性およびフォールディング速度論について調べる。さらにこれらの実験的研究によって得られた結果に基づき、計算機シミュレーションを援用して、SNaseのフォールディングをアミノ酸残基レベルの分解能で記述する。 本年度は、蛍光連続フロー装置に用いる混合器と光学系の作成を行った。光学系については、蛋白質からの蛍光をイメージングすることができることを確認した。また、混合器については、数十マイクロ秒で溶液を完全に混合する性能を示すものを再現性よく作成できるように工夫することが必要である。より系統的に高性能の混合器を作成できるように混合器作成工程を改良しつつ、要求される性能をみたす混合器の作成を行っている。 SNaseのsingle-Trp変異体のフォールディング速度論を調べることによって、SNaseはフォールディング反応開始後約100マイクロ秒でコンパクトな構造を獲得し、特異的な側鎖間のパッキングは反応の律速段階で起こることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)