2007 Fiscal Year Annual Research Report
再構成クロマチンファイバーと核内骨格との相互作用の解析
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18770131
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日詰 光治 Kyoto University, 生命科学研究科, 助教 (10378846)
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Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / AFM / 核マトリクス |
Research Abstract |
研究目的である、(A)再構成クロマチンを利用したクロマチン-核マトリクス相互作用の再構成とその相互作用解析と、(B)細胞核を観察基盤上で処理して溶解しその核マトリクスとクロマチンの相互作用を可視化解析することを目指し、本年度は特に"ヒストンのアセチル化がクロマチン-核マトリクス相互作用に及ぼす影響"に着目した研究を集中的に行なった。観察基盤上で高塩溶解処理を行なった細胞核の観察において、ヒストンデアセチレースの阻害剤であるトリコスタチンA処理によりアセチル化を促進させた細胞核からはクロマチンが核外に溶出しやすいという結果が、昨年度までに得られていた。そこで、本年度は、この実験をさらに進め、以下のような結果を得た。(1)アセチル化を促進して核外に溶出したクロマチンを原子間力顕微鏡により観察したところ約20nm幅であった。これは、トリコスタチンA未処理核から溶出したクロマチンが約40nm幅であったのに対して、有意に減少していた。(2)アセチル化したコアヒストンを用いて再構成したヌクレオソームファイバーにヒストンH1を加えると、非アセチル化ヌクレオソームと同様にヌクレオソームが凝集したファイバー構造が形成された。(3)しかし、H1により試験管内再構成されたファイバーの幅は、アセチル化に依存してその幅が減少していた。すなわち、アセチル化に依存してクロマチンファイバー幅が減少する様子が、核から精製したクロマチンと再構成クロマチンの双方において検出され、そのようなファイバーは核マトリクスから解離して核外に溶出しやすくなるということが示唆された。以上のような実験結果に基づき、核マトリクスとヒストンのアセチル化の密接な相関関係について報告する論文を、現在、投稿準備中である。
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Research Products
(2 results)