2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン駆動力で回転する生体分子モーターATP合成酵素の1分子計測
Project/Area Number |
18770134
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯野 亮太 Osaka University, 産業科学研究所, 助教 (70403003)
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Keywords | 生体分子モーター / ATP合成酵素 / 1分子計測 |
Research Abstract |
今年度の研究成果は下記の2点である。 大腸菌由来のF_0F_1-ATP合成酵素(EF_0F_1)のATP合成活性を多分子計測により徹底的に調べ、回転子を構成するεサブユニットがATP加水分解時のみでなくATP合成時においても、基質の結合と生成物の解離を抑制することを明らかにした。この成果は、酵素が触媒する化学反応の可逆性を考える上で重要な成果である。 基板支持人工脂質二重膜に再構成したEF_0F_1の回転(ATP加水分解駆動)を直接可視化することに成功した。さらにF_0モーターのプロトン輸送が低下した変異体を作製し、プロトン輸送律速の36゜ステップを直接観察することに世界で初めて成功した。また、頻繁バックステップも観察された。この結果は、1)ATP合成酵素のEF_0モーターの回転子は10回対称性を持つこと、および2)F_0モーターはブラウニアンラチェットで駆動することを支持する。特に後者は、F_0モーターの作動機構を一端を明らかにした成果で非常に重要であると自負している。
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Research Products
(14 results)