2006 Fiscal Year Annual Research Report
クラスリン小胞輸送に関与する蛋白質群の蛋白質-蛋白質相互作用の構造学的解析
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18770136
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
上久保 裕生 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (20311128)
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Keywords | クラスリン被服小胞 / X線散乱測定 / マルチドメイン蛋白質 / 構造解析 / ドメイン配置構造 |
Research Abstract |
本研究では、ゴルジ体において積み荷蛋白質を認識し選別しているGGA蛋白質に注目し、特に、GGA蛋白質を介した"様々な蛋白質-蛋白質相互作用の関連性"、更には、"GGA蛋白質によるその制御機構"を明らかにすることを目的として、X線溶液散乱測定法を用い、複数ドメインを有するGGA蛋白質断片(VHS-GAT)と様々な相互作用蛋白質(Arf,M6PR)共在下で形成される複合体の溶液構造を系統的に解析し、その時に生じるGGA蛋白質部分の動態を明らかにすべく研究を行ってきた。以下に、本年度の成果を示す。 ○GGA及び相互作用蛋白質複合体の溶液構造解析を行う為に、滴定X線溶液散乱測定法を考案し適用した結果、結合能が低いGGA・相互作用蛋白質複合体の構造解析が可能となった。 ○本解析手法を、GGA単独、GGA/M6PR複合体、GGA/Arf複合体、GGA/M6PR/Arf複合体の系に適用し、それぞれの溶液構造を解析した。 相互作用蛋白質非存在下でのGGA1は、分子内に存在する2つのドメインが互いに近接したコンパクトな構造をとっていることが明らかとなった。一方、M6PRやArf結合時には、これらのドメインの配置構造に著しい変化が生じ、2つのドメインが互いに離れ、Elongateした構造を形成することが明らかとなった。また、滴定X線溶液散乱測定法から明らかにされた、M6PR結合・非結合時における、ArfのGGAに対する結合能を比較したところ、M6PR結合時には、Arfに対する結合親和性が低下していることがわかった。 M6PR結合時のGGAのドメイン配置構造から、Arfの結合部位に構造学的な摂動が生じていることが明らかとなり、この事実から、積み荷蛋白質(M6PR)の結合によって生じるGGAのドメイン再配置変化によって、ArfのGGAに対する結合能が調節されていることが示唆された。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Molecular Basis for Autoregulatory Interaction between GAE Domain and Hinge Region of GGA12007
Author(s)
M.Inoue, T.Shiba, K.Ihara, Y.Yamada, S.Hirano, H.Kamikubo, M.Kataoka, M.Kawasaki, R.Kato, K.Nakayama, S.Wakatsuki
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Journal Title
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