2006 Fiscal Year Annual Research Report
幅広いタンパク質に適用可能な分子構造イメージング技術の開発
Project/Area Number |
18770144
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松浦 徹 独立行政法人理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 基礎科学特別研究員 (60415297)
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Keywords | 蛍光イメージング / 緑色蛍光タンパク質 / 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET) |
Research Abstract |
本研究の平成18年度の目標は、汎用型FRETプローブ(TdFRET-tag)の蛍光変化量を大きくすることである。改良に用いた手法は、蛍光タンパク質の円順列変異体を作成し、これをTdFRET-tagに導入することである。TdFRET-tagの改良に用いた円順列変異体は、cp49、cp157、cp173、cp195、cp229の5種類である。TdFRET-tagには黄色蛍光タンパク質(Venus)、青色蛍光タンパク質(ECFP)の2つの蛍光タンパク質が使われている。それらをそれぞれの蛍光タンパク質の円順列変異体に変更した改良体を作成した。黄・青それぞれの蛍光タンパク質に対して、野生型を含めて6種類ずつのタンパク質を選択することができる。順序を含めた総組み合わせ数は6x6x2で72通りとなる。この72通りすべての組み合わせのプローブを作成し、その効果を確かめた。これらのプローブは総てIP3受容体のIP3結合領域と融合した状態で作成し、性能試験はIP3結合による蛍光変化量を測定し、その変化量の大小を比較することによって行った。 作成した72通り総ての遺伝子は、それぞれ培養細胞(COS-7)に発現させ、顕微鏡下で測定を行った。測定中に刺激物質(10μM ATP)を添加し、細胞内で産生されるIP3との結合により引き起こされる蛍光変化を測定した。刺激前から刺激後の蛍光変化量(ECFP蛍光強度/Venus蛍光強度)は、改良前には9.5±3.5%であった。円順列変異体導入により、蛍光変化量が19.9±9.0%(TdFRET-tag-cp1)、47.6±5.3%(TdFRET-tag-cp2)と増大した2つの改良体を作成することに成功した。
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