2006 Fiscal Year Annual Research Report
姉妹染色分体間の接着形成に必須なアドヘリン複合体の分子機能の探求
Project/Area Number |
18770149
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
須谷 尚史 東京工業大学, バイオ研究基盤支援総合センター, 産学官連携研究員 (30401524)
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Keywords | コヒーシン / 姉妹染色分体 / マイクロアレイ / 出芽酵母 / 細胞周期 / 染色体 |
Research Abstract |
本年度はコヒーシン・ローダーであるScc2/Scc4複合体(アドヘリン複合体)が細胞周期のいつ染色体上のどこで機能してコヒーシンを染色体にのせているか明らかにすることを目標とした。このために出芽酵母コヒーシンならびにScc2タンパク質に対するChIP-Chip(chromatin immunoprecipitation on DNA chip)法による解析を行い、次のことを見いだした。a)コヒーシンは動原体とそれ以外の部分(染色体腕部)で異なる挙動を示した。動原体では細胞周期を通じてローディングがおこり続けるが、腕部ではDNA複製期にのみ染色体への結合が見られた。b)コヒーシンの動原体への結合は紡錘体-動原体構造が失われると促進された。DNA合成期に起きる染色体腕部への結合はDNA複製そのものには依存していなかった。c)Scc2は紡錘体のない細胞で動原体近傍に結合していた。DNA合成期における結合位置はこれまでのところ検出できていない。以上より、Scc2/Scc4が様々な局面に応じて染色体の異なる部位へコヒーシンをのせている様相が明らかになってきている。現在Scc2が染色体上の何を認識してローディングの場所を決めているのか解明することを最優先課題としており、そのための生化学的実験系を今年度構築した。 本年度はまた、Scc2タンパク質のドメイン解析を行った。その結果Scc2は少なくとも3つのドメインに分けられ、それぞれが異なる相手と相互作用するドメインであることが明らかになった。これらの相互作用をさらに詳細に解析してゆくため、昆虫細胞を用いた各因子の大量発現系を構築した。この成果は、次年度においてScc2/Scc4複合体によるコヒーシン・ローディングの分子機構を調べてゆく際の礎となるものである。
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Research Products
(1 results)