2007 Fiscal Year Annual Research Report
姉妹染色分体間の接着形成に必須なアドヘリン複合体の分子機能の探求
Project/Area Number |
18770149
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
須谷 尚史 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, COE助教 (30401524)
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Keywords | 染色体 / 染色体分配 / コヒーシン / ゲノム / 出芽酵母 |
Research Abstract |
真核生物の姉妹染色分体はコヒーシン複合体により接着されており、この接着は遺伝情報の正確な分配・継承に必須である。本研究ではコヒーシンの染色体結合が時空間的にどう制御されているかを、コヒーシンの染色体結合を司る出芽酵母Scc2 (アドヘリン)のゲノム学・生化学的解析を通じて探求した。以下の諸点が明らかとなった。 1,動原体とそれ以外の染色体部位(以下、染色体腕部)でコヒーシンの染色体結合は異なって制御されていた。動原体ではGI後期より結合が見られ、結合は動原体微小菅を破壊すると促進された。動原体コヒーシンの生理的意味を探るため、現在動原体への結合のみに欠損を示すScc2変異体を単離している。 2,腕部のコヒーシンはS期に結合が開始した。DNA複製やS期誘導キナーゼには依存しないが、複製チェックポイントの制御下にはあった。その詳細な制御機構の解明は今後の課題である。 3, Scc2は染色体腕部に遍在しており、Scc2の認識する染色体上因子はヒストンないしDNAであることが示唆された。現在生化学的検証が進行中である。 4,Scc2は少なくとも3つのドメインをもち、N末Scc4サブユニットへの結合ドメイン、C末はコヒーシンとの相互作用ドメインであった。中央部は未同定の、しかし必須な機能をもつドメインであることも分かった。より詳細な生化学的解析に必要なコヒーシン、Scc2,Scc4タンパク質の大量発現系を構築した。 コヒーシンは姉妹染色分体間接着のみならず、DNA修復や転写調節にも機能する重要な核内構造調節因子であることが分かってきている。いかにゲノムの特定部位に必要なタイミングでコヒーシンを結合させるのか、そのメカニズムの解明に向けた重要な基礎となる知見が本研究から得られたと考えている。なお、現在解明された点を発表すべく投稿論文を準備しているところである。
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Research Products
(2 results)