2006 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジー必須因子が局在する新規膜構造の機能解析
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18770179
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
関藤 孝之 基礎生物学研究所, 分子細胞生物学研究部門, 特別協力研究員 (20419857)
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Keywords | オートファジー / PAS / Atg9 / Cvt経路 / 酵母 |
Research Abstract |
オートファジー(自食作用)は飢餓時に細胞質成分を非選択的に二重膜小胞(オートファゴソーム:AP)に取り込み、液胞に輸送後、分解する一連の過程である。酵母オートファジーにおいて液胞近傍のドット状構造であるPAS(pre-autophagosomal structure)はAP形成の場として機能し、ほぼ全てのオートファジー必須因子(Atgタンパク質)が局在している。オートファジーが飢餓応答性であるのに対し、酵母では栄養豊富条件でもCvt経路とよばれる二重膜小胞(Cvt小胞)形成を伴う液胞輸送経路が存在し、液胞内酵素を特異的に輸送する。Atgタンパク質の多くはCvt経路にも必須であり、PASはCvt小胞形成の場でもある。Atg9はAPおよびCvt小胞形成時の膜供給に機能することが示唆されている多重膜貫通型タンパク質であるが、その細胞内局在は他のAtgタンパク質とは異なり、PASだけでなく、細胞質中の多数の可動性粒子にも見られる。本年度の研究によって、Atg9の細胞内局在を調節する因子としてAtg11、Atg17、Atg23が機能していることを見出した。それぞれはAtg9と複合体を形成し、Atg9のPAS局在に機能する。Atg11およびAtg23はCvt経路に、またAtg17はオートファジーにそれぞれ特異的に必須な因子であり、これを反映してAtg11とAtg23は栄養豊富条件、Atg17は飢餓条件においてそれぞれAtg9のPAS局在に機能することから、栄養条件の変化に応答して、Atg9のPAS局在の分子機構がスイッチすることが明らかとなった。
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