2007 Fiscal Year Annual Research Report
SUMO化・脱SUMO化によるタンパク質の局在および機能変換機構の網羅的解析
Project/Area Number |
18770180
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
荒井 律子 The Institute of Physical and Chemical Research, 吉田化学遺伝学研究室, 協力研究員 (10342742)
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Keywords | 分裂酵母 / ローカリゾーム / SUMO / 微小管 |
Research Abstract |
昨年度までに、所属研究室において共同研究として行ってきた分裂酵母のローカリゾーム(全遺伝子産物の細胞内局在決定)が終了した。また、分裂酵母のSUMO(small ubiquitin-related modifier)であるPmt3は、通常の場合、核、SPB(spindle pole body)、核内ドットに局在するのであるが、タンパク質核外輸送担体Crm1の阻害剤であるレプトマイシンB(LMB)の作用により、その局在性が変化することを明らかにした。さらにローカリゾームで取得したORF(open reading frame)-YFP発現株に対してLMB処理を行った結果、分裂酵母全タンパク質のうち20個のタンパク質が同様の局在変化を示すことが分かった。 以上の結果を踏まえて、本年度は核-細胞質間輸送を介したタンパク質の局在制御メカニズムについて、タンパク質のPmt3化修飾と関連付けながら明らかにすることを目的として研究を行った。所属研究室において確立された分裂酵母リバースアレイを用いて上記20個のタンパク質のPmt3化について検討したところ、微小管関連タンパク質を含むいくつかのタンパク質がPmt3の基質である可能性が示された。また、LMB処理によって認められた局在変化は微小管構造変化を伴うものであったことから、本研究成果により、いくつかの微小管関連タンパク質がPmt3化により機能調節を受ける可能性、そして核-細胞質間輸送を介してPmt3化タンパク質の適切な局在および微小管ネットワーク形成が制御されているという新規メカニズムの存在が初めて示された。
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