2006 Fiscal Year Annual Research Report
染色体の配置変化をもたらすセントロメア蛋白質の制御メカニズム
Project/Area Number |
18770188
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
淺川 東彦 独立行政法人情報通信研究機構, 第一研究部門未来ICT研究センターバイオICTグループ, 特別研究員 (70399533)
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Keywords | 核構造 / 染色体 / 減数分裂 / 分裂酵母 / セントロメア |
Research Abstract |
分裂酵母のセントロメアは、増殖細胞ではスピンドル極体(SPB)近傍にクラスターしている。セントロメア蛋白質Nuf2は、減数分裂前期においてセントロメアから消失する。このときセントロメアがスピンドル極体(SPB)から解離し、染色体の核内配置が大きく変化する。セントロメア蛋白質の中にはNuf2と同様の挙動を示すものが多数あることがわかったため、一連のセントロメア蛋白質の消失が染色体の核内配置変化をもたらすことが考えられた。一方、Mis6のように減数分裂前期でも消失しないセントロメア蛋白質もあることがわかった。セントロメア蛋白質の消失および染色体の核内配置変化をもたらす機構について以下の知見を得た。1)フェロモンシグナル経路を活性化すると、Nuf2-GFPのセントロメア局在が見られなくなった。このときMis6-GFPが複数の輝点となったことからセントロメアもクラスターしなくなることがわかった。2)セントロメア蛋白質Mis13はセントロメア以外にも核内全体に広がった局在を示すが、フェロモンシグナルによってセントロメア局在のみが消失した。3)GFP融合Mis13とRFP融合Mis6を発現させて観察したところ、フェロモンシグナルを活性化したpat1変異体では窒素源の枯渇後、時間の経過とともにセントロメア蛋白質の消失とセントロメアのSPBからの解離が見られるが、活性化しないままのpat1変異体ではこれらの現象は見られなかった。このことからセントロメア蛋白質の消失とセントロメアのSPBからの解離の相関関係が再確認された。
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