2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子SOX2に基づく誘導による感覚器プラコード形成の開始機能
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18770201
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
内川 昌則 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 助手 (80346147)
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Keywords | SOX2 / プラコード / 誘導 / エンハンサー / 感覚器 / 転写因子 |
Research Abstract |
誘導による形態形成を開始する機構を明らかにするために、転写因子SOX2の誘導に応答する制御領域の解析およびSOX2の機能について研究している。 1,頭部外胚葉で広く活性を示すN-4エンハンサーの制御機構 N-4エンハンサーの活性に必要な領域を同定した結果、およそ40bpの領域がその活性の特異性に重要であることを明らかにした。その領域には、いくつかの共通した配列が存在した。その配列が、RAレセプターなどの核内レセプターの予想結合配列に類似していたこと、またRAが眼の形成過程に関与していることが報告されていることから、N-4エンハンサーに対するRAの作用を現在検討している。 2,プラコード形成を開始する誘導シグナルに応答するN-3エンハンサーの制御機構 これまでにN-3エンハンサーは、Pax6とSOX2の協調的な作用によって活性化することを明らかにしてきた。また将来の網膜を外科的に除去したときのエンハンサーの活性に与える影響について調べ、網膜からの誘導シグナルなしにはN-3エンハンサーは活性化されないことを明らかにした。今後、どのようなシグナルカスケードを通してエンハンサーが活性化されるかを解明し、水晶体誘導シグナルを分子として明らかにしたい。 3,プラコード形成および感覚器原基における細胞分化を推し進めるためのSOX2の機能 SOX2の感覚器原基における機能を明らかにするために、N-3,N-4エンハンサーをそれぞれ欠損したマウスを作成する。発生の段階ごとの機能を詳細に解析できると期待される。現在までに、それぞれを欠失させるためのES細胞の樹立、そのES細胞によるキメラマウスの作成を完了し、N-3,N-4エンハンサーをそれぞれ欠失したヘテロマウスをえることができた。今後は、ヘテロマウス同士を掛け合わせ、ホモマウスを作成し、その感覚器の発生を詳細に解析する。
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[Journal Article] Comparative Genomic and Expression Analysis of Group B1 sox Genes in Zebrafish Indicates Their Diversification During Vertebrate Evolution2006
Author(s)
Okuda, Y, Yoda, H, Uchikawa, M, Furutani-Seiki, M, Takeda, H, Kondoh, H, Kamachi, Y.
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Journal Title
Developmental Dynamics 235・3
Pages: 811-825
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