2006 Fiscal Year Annual Research Report
体節形成における時間的周期性が空間的周期性へ変換されるメカニズムの解析
Project/Area Number |
18770202
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
松井 貴輝 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (60403333)
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Keywords | 体節形成 / Hes / オシレーション / FGF |
Research Abstract |
脊椎動物の前後軸に沿った繰り返し構造は、発生期に一過性に現れる体節の等間隔パターンによって規定される。この等間隔パターンは、胎仔の最尾部に位置する未分化な中胚葉組織、未分節中胚葉(PSM)が二定時間ごとに括れ切れることによって形成される。本研究では、体節形成をモデルとして、時間的周期性が空間的周期性への変換されるメカニズムを解明することを目的とする。具体的には、Hesの作り出す時間情報がFGFシグナルの濃度勾配という位置情報にどのように伝達されているのかを解析する。 これを行うためには、まず、PSMでFGFシグナルの濃度勾配があることと、FGFシグナルの限界点の位置を正確に調べる必要がある。そこで、FGFシグナルによってリン酸化されることで、活性化されるERKに着目し、そのリン酸化型特異的抗体を用いて、ゼブラフィッシュ胚のPSMにおけるFGFシグナルの活性化領域を解析した。その結果、ゼブラフィッシュPSM領域においてERKの活性化領域が観察され、ERKの活性化レベルでFGFシグナルに濃度勾配があることが明らかになった。また、ERK活性化領域の限界点は、体節の分節面から一定の距離のところに収束する傾向が認められることから、ERK活性化を一定の位置に規定するメカニズムが存在する可能性が示唆された。今後、染色する胚の数を増やし、シグナルの強度の変化や、その限界点の位置を正確に計測することで、FGFシグナルの濃度勾配がHesの作り出す時間情報に影響されるのかを調べることができると考えている。
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Research Products
(1 results)