2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンメチル化による転写制御メカニズムの構造的基盤
Project/Area Number |
18779006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大木 出 九州大学, 生体防御医学研究所, 学術研究員 (80418574)
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Keywords | 転写 / ヒストンメチル化 / 立体構造解析 |
Research Abstract |
本課題の研究成果を、本年度の研究実施計画のサブテーマごとに記載する。 (1).ヒストンメチル化酵素の他の因子による活性調節機構の解明 ヒストンメチル化酵素MLLのリガンド配列認識ドメインであるCpG結合ドメインの大腸菌での大量調製、精製に成功した。基質との相互作用に必要なアミノ酸配列をNMR法を用いて同定した。その後、NMR法で同定したドメイン領域と基質との複合体の結晶化を行い、構造決定に成功した。これまでに、2.0オングストロームまでのX線反射データを用いて精密化を完了している(R/Rfreeは21.7%/25.4%)。これにより、MLLのリガンド配列認識機構の詳細が判明した。また、2007年3月にCpG結合ドメインとPolycomb蛋白質であるHPC2のクロモドメインが結合することが報告された。これは、二種類のヒストンメチル化活性-ピストンH3K4メチル化とH3K27メチル化一の新たなクロストークを示すものであり、現在、CpG結合ドメインとの相互作用解析のためのHPC2の調製を進めている。 (2),(3)Jmjcドメインのピストン脱メチル化反応機構、調節機構の解明 ヒトPSRを中心に研究を進めている。これまで、PSRのJmjcドメインの大腸菌での発現、精製に成功している。PSRはGST融合蛋白質として発現した場合は不安定で、6-ヒスチジン融合蛋白質としての調製する事が必要であった。これはGST蛋白質がPSRの2量体化を阻害しているためと考えられた。また、大腸菌より蛋白質を調整してくる際に、超音波破砕器ではなく高圧ホモジナイザーの使用が蛋白質の安定化に重要であった。この6-ヒスチジン融合蛋白質を用いて結晶化を行っているが、まだ結晶は得られていない。
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Research Products
(1 results)