2006 Fiscal Year Annual Research Report
Atg29の解析に基づくオートファジーの制御機構の研究
Project/Area Number |
18779008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
川俣 朋子 基礎生物学研究所, 分子細胞生物学・研究部門, 特別協力研究員 (70435527)
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Keywords | シグナル伝達 / 脂質 / オートファジー / 細胞生物学 / リン酸化 |
Research Abstract |
1.リン酸化型Atg29複合体の単離・精製 Atg29はリン酸化タンパク質であり、オートファジーが誘導される飢餓条件でAtg1キナーゼによってリン酸化される。Atg29のリン酸化はオートファジーを誘導する重要な役割を果たしていることが想定されるが、まだその機能は解っていない。そこで、Atg29のおおまかなリン酸化部位を同定する実験を行ってきた。まず、大腸菌から精製したGST-Atg29標品を用いて、Atg1によるin vitroキナーゼアッセイを行った。Atg1はAtg29内のC末端半分を効率よくリン酸化したが、N末端半分も弱いながらリン酸化された。次に、細胞内のATG29のC末端欠失変異体を作成し、飢餓時におけるリン酸化の程度をSDS-PAGEによるAtg29のband shiftにより解析した。Atg29内の104-120残基内にリン酸化部位があることが解った。しかし、これらの欠損変異体でもある程度オートファジーの活性が保持されていたため、より重要なリン酸化部位はN末端領域に存在し、そのリン酸化はband shiftを誘起しない可能性が考えられた。その上、リン酸化部位が複数ある場合も想定された。そのため、現在、研究室のメンバーと共同でAtg29のin vivoラベル実験を計画している。野生株とATG1破壊株とを比較することで、上記の実験結果と併せてAtg29リン酸化の詳細とその意義を次年度までに明らかにしたい。 2.ATG29と協調してオートファジーを制御する因子の探索 本年度中に、新規のオートファジーに関わる遺伝子であるCis1/Atg31の同定し、その遺伝子破壊株の表現型解析を行った。これらの結果は、論文にまとめ投稿し、最近受理されたところである。さらに、Atg31は上記のAtg29、Atg17と相互作用することも明らかにした。Atg31の解析は研究室のメンバーと共同で行った。
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Research Products
(1 results)