2007 Fiscal Year Annual Research Report
Atg29の解析に基づくオートファジーの制御機構の研究
Project/Area Number |
18779008
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川俣 朋子 The University of Tokyo, 分子細胞生物学研究所, 研究機関研究員 (70435527)
|
Keywords | シグナル伝達 / 脂質 / オートファジー / 細胞生物学 / リン酸化 |
Research Abstract |
Atg29はリン酸化タンパク質であり、オートファジーが誘導される飢餓条件でAtg1キナーゼによってリン酸化される。Atg29のリン酸化はオートファジーを誘導する重要な役割を果たしていることが想定されるが、その機能は解っていない。Atg29は、他のAtgタンパクと同様、PAS(pre-autophagosomal structure)に局在することがわかっている。出芽酵母ではautophagyに類似した生合成経路(Cvt経路)が構成的に働いており、オートファジーのみならずCvt経路のためにもAtgタンパク質がPASに適切にオーガナイズされている。そのため、PASは栄養源によらないものと考えられていた。しかし、Atg29はPAS上で飢餓条件特異的にリン酸化されるため、PASそのものの状態が栄餐源に応じて変化する可能性を検討した。Cvt経路を遮断しても、オートファジーには全く影響を与えないので、Cvt経路を遮断した状態、すなわちatg11遺伝子破壊株ですべての実験を行った。その結果、オートファゴソームを作るPASは栄養源にsensitiveである(言い換えれば、オートファジーが誘導される条件でPASが形成される)ことが観察できた。細胞を栄養飢餓から解除するとPASの輝点が消失した。さらに、Cvt経路には必須ではなく、オートファジー特異的に作用するタンパク質(Atgl7,Atg29,Atg31)と、Atg1キナーゼ複合体(Atg1-Atg13)がオートファゴソームを作るPASの土台になっていることを明らかにした。これらの結果の一部は、論文としてまとめ、受理された。加えて、Atg1によるAtg29のリン酸化部位の大まかなマッピングを行いAtg29のC末端領域が特に強く、N末端も弱いながらもリン酸されることを見いだした。
|
Research Products
(1 results)