2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質耐性遺伝子を用いない遺伝子組換え植物の新規な選抜手法に関する研究
Project/Area Number |
18780006
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
玉置 雅紀 独立行政法人国立環境研究所, 生物圏環境研究領域, 主任研究員 (00311324)
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Keywords | シロイヌナズナ / イネ / 遺伝子組換え / 抗生物質 / 胚発生突然変異体 / 植物ホルモン合成欠損変異体 |
Research Abstract |
本研究は抗生物質を用いない遺伝子組換え植物の作製手法の開発をシロイヌナズナ及びイネで行う.シロイヌナズナでは種子発芽の出来ないga1変異体の栽培手法の確立、及びこの変異体の原因遺伝子の単離及び植物導入用コンストラクトめ作製を行った。現在、このコンストラクトをga1変異体に導入中である。遺伝子導入を終えた種子が得られたら、この種子の半分を従来通りの抗生物質による選抜をおこなう。また残りの半分の種子を用いて抗生物質無しで組換え体の選抜が可能かどうかを調べる。これらのデータを比較することにより本手法の有用性について検証を行う。 イネではシュート形成に関する変異体の収集と解析を行った。現在までに、4種類の変異体sho1,shl1,shl2,shl4(sho2)を見つけ出し、それらの原因遺伝子を単離した。これらの変異体はシュート形成することが出来ないため、カルスから個体を再生することは出来ない.今年度は単離した4つの遺伝子の全てについて野生型遺伝子(ゲノムDNA)を変異体に導入することにより変異が回復することを確認した。またshl1変異体についてはActinプロモーターの下流にSHL1遺伝子のcDNAを融合したコンストラクトの導入によりシュート形成することも確認した.この系を利用して、撰抜マーカーと抗生物質に依存しない遺伝子導入システムの開発を行うため、抗生物質非存在下で組換え体(相補個体)の選抜が可能であることを確認する実験を行った。まず、薬剤耐性を示すカルスを選抜しておき、次に抗生物質を含まない再分化培地で生育させた。現在の所、再分化個体は得られていない。今後は、薬剤耐性遺伝子を除いたベクターを作製し、遺伝子導入カルスの作製から抗生物質を入れない実験を試みる。
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