2007 Fiscal Year Annual Research Report
抗生物質耐性遺伝子を用いない遺伝子組換え植物の新規な選抜手法に関する研究
Project/Area Number |
18780006
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
玉置 雅紀 National Institute for Environmental Studies, 生物圏環境研究領域, 主任研究員 (00311324)
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Keywords | シロイヌナズナ / イネ / 遺伝子組換え / 抗生物質 / 胚発生 / 植物ホルモン |
Research Abstract |
本研究は抗生物質を用いない遺伝子組換え植物の作製手法の開発をシロイヌナズナ及びイネで行つた。シロイヌナズナでは種子発芽の出来ないgal変異体をその変異の原因遺伝子であるGAl遺伝子で相補する事により組換え体が得られるかどうかにういて検証を行った。GAl遺伝子を導入したgal変異体の種子はジベレリンが無くても発芽することが明らかになった。次に組換え植物の選抜効率を確かめるために、得られた組換え体の種子を、ジベレリンフリー及びカナマイシンの入った培地により選抜を行った。その結果、今回提案した手法により遺伝子組換え植物をカナマイジンによる選抜と変わらない効率で得ることができた。これらの結果から、種子発芽めできない変異体とその変異を相補する遺伝子の組み合わせにより組換え植物の選抜が可能であることが示された。 イネではシュート形成に関する変異体sh14をそめ変異の原因遺伝子であるSHL4遺伝子(ゲノムDNA)で相補する事により組換え体が得られるかどうかについて検証を行った。この変異体はシュート形成することが出来ないため、カルスから個体を再生するとは出来ないにもかかわらず、遺伝子導入を行ったカルスのうち数個からシュート形成が認めたれた。これらのカルスの遺伝型をdCAPSマーカーで検証したところ、組換え体の親はsh14変異体であることが確認できた。以上のことから本手法で提案したシュート形成変異体と、その変異を相補する遺伝子の組み合わせにより組換え植物を選抜できることが示唆された。 多くの遺伝子組換え植物(作物)の作出は、カルスによる選抜を経て行われることから、本研究の成果において特にイネにおける手法は他の植物の遺伝子組換え手法にも応用できると考えられる。
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